Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第10章 Forever I love you
時刻は0時0分。
今日から8月。
時計を見るのはエルヴィン。
古い友人がやっているレストランで、閉店後に特別に貸切で営業してもらっている。
「もう流石に戻っては来ないだろうか?」
エルヴィンが椅子に足を組んで腰掛けながら、ワイン片手に横に立つオーナーシェフの大男に話し掛けた。
「・・・まあ、猿も木から落ちる、だな」
「全く答えになっていないぞ。そもそも俺はプロポーズを得意分野にしている訳じゃないし、プロポーズ自体、人生で初めてだ」
その言葉に大男がフッと笑えば、エルヴィンも同じように笑う。
すると、レストランの入口が躊躇なく開かれ、軽い足音がエルヴィン達に近付く。
エルヴィンと大男はそちらを見ようとせず談笑している。
やがてエルヴィン達のテーブルに到着し、シレッと着席した。
「久しぶりだな、リヴァイ」
「ああ、今世では初めて会うな」
大男に言われ、微かに口角が上がるのはリヴァイ。
「ではミケ、すまないが頼む」
エルヴィンに言われた大男、ミケは頷いて厨房へ消えていった。
「まさか俺達だけでなく、ライナーとルイーゼ・クラウゼヴィッツ、ほぼ同時期に前世で関係した者同士が出会っているとはな」
「ああ、これは実に興味深い」
「そうだな。だが、今日はそれ以上に興味深ぇ話がある。それが今日の本題だろう、エルヴィン」