Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第1章 I’ll never forget you
たった数分だけのライナーとの時間。
だけど、結衣にとっては千年と百余年の間ずっと、待ち望んだ時間だった。
結衣の“記憶”の最後は、信じ難いもの。
人類の敵、それがライナーだった。
それでも愛した。
彼の故郷について行くと決めた。
ライナーも躊躇わず、結衣を連れ去った。
エレン、ユミル、クリスタと結衣を連れ、故郷へ急ぐライナーとベルトルト。
そしてエレンを奪還に来た調査兵団との戦闘の果てに、突如襲ってきた無知性の巨人達によってライナー達の足は止まり、彼らと共に結衣は抵抗したが、それも虚しく結衣は無知性の巨人に捕まり、死亡した。
悲しく響く鎧の巨人の、ライナーの声を最期に聞きながら。
帰宅した結衣はシャワーを浴びながら吐き気に襲われ、しゃがみこむ。
巨人が本当に実在したならば、この夢が、妄想が現実のものならば・・・
どんなに楽だろう。
結衣は猛烈な吐き気と頭痛に襲われながらバスルームを出て、早めに横になった。