Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第9章 Sorrow in my heart
「そんな・・・そんな・・・」
結衣はしばらく動けずにいると、再度エルヴィンがやってきて、別室へ移動した。
場所は、エルヴィンの仮眠室にもなっている応接室。
結衣はエルヴィンとソファーに座る。
「ここなら誰も来ない」
結衣は次から次に溢れる涙を止められない。
エルヴィンは結衣の背を撫でながら、結衣が落ち着くまで待った。
結衣が落ち着いたタイミングでエルヴィンは口を開いた。
「ライナーの飛行機の便だが・・・国際空港のニューヨーク行き0時の便だ」
「・・・何故、それを教えて下さるんですか」
「君が決めるんだ。彼か、私か。同時刻に、君が私と初めて一緒に食事したレストランで君を待ってる」
それを聞いて、結衣はエルヴィンと目が合う。
「君が決めるんだ。彼と一緒に歩むのか。私と一緒に歩むのかを」
エルヴィンはそれだけを伝え、結衣の頭に手を置いて応接室から出て行った。