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イケメン戦国~IFな小噺(家康only)~

第9章 新しい筆のおろし方02


書簡の整理を進め、終わりが見える頃には、日は傾いてきていた。

気持ちよさそうに眠る葵の頭をゆっくりと足からおろし、文机をもって元の場所に移動する。

「葵?そろそろ起きな。夕餉の時間だよ」

「ん…ごめ、寝ちゃった」

慣れた手つきでまだ覚醒していない状態のうちに葵にかけていた羽織をとり、何事もなかったように着る


このような事はこれまでも度々あり、家康はこの穏やかな時間が好きだった
葵とのこの穏やかな時間を少しでも長く…
こんな風に自分が誰かに対して思うなんて、、葵に出会うまで考えたこともなかった



夕餉を済ませ
葵と向かい合って座る

「じゃあ、『筆おろし』について話していくから」

「はい」

「筆おろしは男が大人として認められるために必要なものだ。
祝言をあげれば大人として認められるから、人により筆おろしの年齢は違う。
だいたい15歳の元服前後にあわせておこなわれることが多い」

「なるほど、重要なことを任されたんだね」
葵は、神妙な顔つきになりうんうんと頷いている

「筆おろしっていうのは、男が初めて女を抱くことを指す」

「は?」

「だから、信長様が今日あんたにいった蘭丸の筆おろしを手伝えっていうのは
蘭丸の初めての女になれってことを言っていたんだ」

「抱く!?初めての…!?」
言葉が理解できないのか口にだし、その言葉に自分で真っ赤になって口をパクパクしている

「そう。葵に蘭丸の伽…夜の相手をしろってこと」

「えっえっええぇーー」

やっと言葉を理解し、顔を真っ赤にして、頭を抱えて慌てている
この様子を誰にも見られなくて良かったと嘆息した
天守で説明しなくて良かった
哀れではあるが、可愛らしくて目が離せない


「うう、どうしよう」
床にうずくまり、涙目で見上げてくる

「耳まで真っ赤だよ」

「もう家康は他人事だと思って!」
真っ赤な顔で潤んだ目で睨まれても可愛いだけなのに

「これでわかったでしょ?適当に引き受けることが危ないって」
涙目になりながらコクコクと頷く


ううっどうし、、あううぅ家康ぅ


家康が話している間にも
声にならないうめきが聞こえてくる
ほんとに可愛いな
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