第6章 酔いの代償 〈完〉
「なぁ明日葵と3人で飲まないか?」
軍議が終わり広間からでたところで政宗さんに呼び止められた
「は?」
「明日は信長様とほか3人もいないだろう?
御殿に帰って個々に食べるだけじゃおもしろくねーだろ」
「そもそも一人飲めないのにやる意味あります?」
「俺は飲まんが葵とお前が飲めばいい
葵は宴では気を張っているだろうから、気楽に飲ませてやるのも良いかと思ってな
こんな機会もあまりないだろ」
(まったく相変わらず政宗さんは葵に甘い
まぁ葵に甘いのは信長様を筆頭として全員だが)
「まっお前が来ないなら葵と二人で飲むだけだ」
という軽口に聞いてないふりをして、そっけなく答える
「かまいませんけど…」
「場所は俺と葵の部屋の真ん中にあるの家康の部屋がいいだろ
つまみと酒は俺が用意しておく
葵にはもういってあるぞ、楽しみだと喜んでいた」
「そうですか」
政宗さんは
「旨いもの用意しておくから楽しみにしとけ」
と肩を叩いて去っていく
翌日、信長様に天守に呼ばれ
「家康、お前も参加しろ」
「今日の茶会ですか?俺まで参加する必要ないと思いますけど」
「二度は言わんぞ」
「はぁ、夜は先に戻らせていただきますが」
「かまわん」
くそっ
城への道を急いで戻りながら、悪態をつく
余計なことを言わなければ良かった
茶会の後の宴会で
「俺の酒が飲めないのか」
「俺を満足させないと戻らせんぞ」
としこたま飲まされた
南蛮のあの酒は駄目だ
飲みなれないという事もあり、酒のまわりがはやい
政宗さんと葵が二人でいると思うと
つい焦って飲んでしまったというのもある