第5章 アクシデントの活かし方(蘭丸BD)/口づけの意味02 〈完〉
~家康side~
「じゃあ俺が守ってやる。ずっと俺の側にいればいい。他にも色々教えてやるぜ?」
「ダメに決まっているだろう政宗。
家康もだ!巻き込まれるは葵の責任じゃないだろ。
葵怖い思いをさせて悪かったな。」
「そうですよ、葵様。
葵様が素敵な方だから寄ってきてしまう輩が多いんです。
こちらの配慮が足らず申し訳ありませんでした。」
政宗さん、秀吉さん、三成までもが
葵を慰めるように声をかけ
自分が未熟さを露呈しているようで気が滅入ってくる
「いえ…そんなことはありませんから、
それくらいは分かっています。すみません」
葵が顔をあげずに小さく答えるのに首をむけると
蘭丸の責めるような目と一瞬目が合う
「葵様、こっち来て」
葵の手を引き、信長の近くに連れていってしまう
信長は大人しく座った葵に目をやりながら
「葵が従者をつけるのを納得する代わりに
自分でも身を守れるようになりたいと譲らんのでな
蘭丸に簡単な護身術を教えるよう命じたのだ」
「先ほどは練習をしていたんですよ。ねっ葵様」
「うん…」
それだったら自分が…
と口から出そうになったとき
同じような複数の目線を感じたのか信長が
「そこでだ、正式に護身術を教えるものを選ばせることにした。
葵、だれに教わりたい?」