• テキストサイズ

イケメン戦国~IFな小噺(家康only)~

第3章 雨担当の憂鬱〈完〉


がらっ

「ただいま」

「おかえりなさいませ」

「…」

「今日は蘭丸様がいらしておりまして
つい話し込んでいらっしゃるのかもしれませんね。
お呼びしてきましょうか?」

家康を出迎えた家臣が葵のことを聞いたわけでもないのに答えてくる。

「いや別にいい」

気に食わない…



客間の前を通ると
蘭丸と葵の少しひそめたような声が聞こえてきて足をとめた


「ねぇ葵様、ちゃんと教えて?」

「恥ずかしいよ」

「恥ずかしくないよ。ちゃんと教えて。俺、教えてもらえないと悲しいな」


人の御殿で何をやっているんだ、あの二人は…
そもそも蘭丸も葵に懐き過ぎだ
誰にでもすぐ打ち解ける子だが、どうも葵に近づかれるのはいい気がしない


「もう!蘭丸君たら…」

「ねっ葵様、そうなんでしょ?」

「…うん。好き。…大好き。」

「…ありがとう。わざわざ言わせてごめんね。
葵様の口からちゃんと聞きたかったんだ。」


は?
葵は蘭丸が好きなのか?


「あーもう、恥ずかしい。
あっいっけない!
そろそろ家康が帰ってくる時間だ、出迎えないと!」

「毎日出迎えしてるの?」

「うん、私にはできることが少ないし、出かける時と帰ってくる時位しか顔を合わせる機会もないし」

「いーなー家康様が羨ましいなー」

「そんなことないよ。私がやりたいからやらせてもらっているの」

「俺もいくー」

「ふふっ2人で待ってたら家康驚くね」


客間から二人が連れ立って出てくる
/ 97ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp