第9章 体育祭
~黄瀬side~
クラスメート達と一緒に応援席から競技を見る。
…いや、正確には視界に入ってくるだけ。
内容は全く分からない。
気がつくと、無意識に、瑠衣っちのあの顔を思い出す。
俺の言ってることの意味が理解できてない顔。
瑠衣っちって恋愛に疎そうだとは思ってた。
けど、普通ああいうこと言われたら女子なら期待するっしょ?
でもそんなとこも好きとか自然と思っちゃってる俺は一番バカ。
ほら、今だって。
競技なんて全然頭に入ってこなかったのに。
瑠衣っちが走ってる姿だけは目にはいるんだもんな。
相変わらず綺麗なフォームだな~…。
そういえば、瑠衣っちのこと気になりだしたのって、この走りがキッカケだった。
すっかり忘れていたのは、きっと、今ではキッカケなんてどうでもいいから。
笑うと結構可愛いところとか。
意外と表情がコロコロ変わるところとか。
人をなかなか信用できないところに共通点を見つけたり。
極めつけは、
青峰っちに恋してる顔が可愛い
「…俺って救われないっスね」
そんなことを呟いてしまうくらい、
この恋が実る可能性が低いことは分かってる
いっそさっさと青峰っちとくっついて欲しい
他人のモノなら盗っちゃ駄目だって抑えられるから
…あわよくば、別れた後を狙おうなんて妄想も出来るから
瑠衣っち
好きだよ