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【黒子のバスケ】ブルーな愛情

第5章 透明少年と本


「久瀬さんは青峰くんと、恋愛してないんですか?」

「はっ!?」


サラッと言いのけた黒子くんに私は思わず裏返った声を出す。


「…ずいぶんド直球だね、黒子くん」

「照れます」

「褒めてないです」


真顔で言った黒子くんに真顔で返す。
…なかなかシュールな光景だな。


「…黒子くん、どうしてそう思ったの」

「そうですね…色々ありますけど、久瀬さんは青峰くんの話をするとき、目が優しくなるんです」

「えっ、そうなの?」

「はい。あと、青峰くんと自分から目を合わせようとしませんよね」

「うん…恥ずかしいから」

「けど、他の人とは目を合わせられるんでしょう?」


私が顔を赤くして俯くと、黒子くんはクスッと笑った。


「僕は久瀬さんの恋に口出しするつもりはありませんけど、ゆっくりし過ぎするとタイミングを逃しますよ」

そう言うと黒子くんは立ち上がり、それではまた明日、と告げ教室から出ていった。


「バリバリ口出ししてんじゃん…」


黒子くん、あんまり恋愛とか興味ないと思ってたのにアドバイスまで受けちゃった。
黒子くんって掴めない人だなぁ…。











教室の窓から空を眺める。



日が傾くのが随分早くなった。


景色は夕暮れ。



オレンジ色に身を染め、










季節は秋へ移ろうとしていた。

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