第2章 夏休み
「そろそろ帰るのだよ」
「そっスね。それじゃ、バイバイっス!」
「さようなら」
黄瀬、黒子くん、緑間くんと別れて、ここにいるのは大輝、さつき、私だけになった。
三人で一緒にいるの久しぶりだなぁ。
素直に嬉しいと思って機嫌良くしていたら急にさつきが「あっ!」と声を上げた。
「何?どうしたの?」
「私お母さんにお使い頼まれてたんだったぁ~!私スーパー寄ってくから二人で帰ってね!」
「えっ!?」
いやいや待ってよ!
大輝と二人っきりとか私は気まずいし、大輝は元々口数少ないし…重い空気が流れるに違いない。
「さつきっ…!」
「じゃ、私急ぐから!」
そんな私の気持ちも知らず、さつきは走り去ってしまった。
呆然としている私の横で、大輝はメールがきたらしく、携帯を開いて画面を睨んでいる。
「チッ…さつきのヤロー…」
…何でさつき?
「さつきからメール?」
「…そんなとこだ」
大輝はそっけなくそう言った。
でも、今別れたばっかなのに何でさつきはメールを…?