第18章 嵐の後に
~青峰side~
「...マジで言ってんのか」
「...うん、転勤」
「戻ってくるのか?」
「分かんない。戻ってくるとしても、大輝とさつきの隣にはもう住めない」
「...いつ行くんだよ」
「1週間後」
思わず目を見開いた。
待てよ、急すぎるだろ、1週間後?
あと1週間で、お前との14年間終わるのかよ。
「嘘だろ......」
思わず口から出た言葉に、肯定は返ってこなかった。
その後、気づいたら家の玄関に帰ってきていた。
「お帰り...大輝?何してんの、」
「NAME1のこと、知ってたのかよ」
思ったよりも低い声が出る。
ババァが申し訳なさそうな顔をして、それが無性に腹が立った。
「何で言わねーんだよ!後1週間って、有り得ねえだろ!」
「ごめん、でもNAME1ちゃんに口止めされてて...!」
「知らねえよ!テメエもNAME1もふざけんな...!」
踏みつけるように階段を駆け上がり、自分の部屋に閉じ籠った。
「クソッ、何でだよ......!」
黄瀬に先を越され、菅原にも先を越され、やっと俺の番だと思ったのに...。
お前がいなくなるんじゃ話にならねえ...。
幼馴染みだから、離れないと思ってた。
俺はアイツらと違って一生一緒なんだから、いつか伝えれば良いと思ってた。
こんな急に別れるなんて。
「クソッ......!」
好きなのに。