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【黒子のバスケ】ブルーな愛情

第18章 嵐の後に





放課後、号令が終わると同時に私は教室を飛び出した。

今日は1週間に1度のオフ。
部活に参加し始めたとはいえ、オフの日に自主練をするような奴じゃない。
早くしないと大輝に先に帰られてしまう。

教室嫌いだからな、アイツ......。


「あ...大輝!」


案の定、自分の教室から遠く離れたところで彼を見つけた。
怪訝そうに振り向く彼に近づき、呼吸を整えた。


「今日、放課後時間ある?」

「あ?まあ......」

「じゃあ一緒に帰ろう!スクバ取ってくるから昇降口で待ってて!」

「あ?ちょ、オイ...!」


大輝の返事も聞かず教室に飛んで帰る。
スクバにペンケースとファイルだけ突っ込み、また飛び出した。
階段を降りた先にいつもの姿を見つけ、安心する。


「大輝、お待たせ」

「......行くぞ」


歩き出す大輝の横に並ぶ。
...菅原くんがいた頃は行きも帰りも一緒、が当たり前だったのになぁ...。


「久しぶりだね、並んで帰るの」

「あぁ...それより、何か話あんじゃねえの?」

「え?」


大輝の顔を見ると、呆れたような顔をしていた。


「お前がわざわざ一緒に帰ろうなんて、おかしいだろ。早く言え」

「.........あの、」


いざ言うとなると、怖くなった。
まだ心の準備が完全に出来ていない。
...でも、彼だけには、誰よりも早く言いたい。

言わなきゃいけない。


「...お父さんの転勤で、」


大輝が息を飲んだのが分かった。
こんなときだけ察しが良いんだから...。

私は精一杯微笑み、大輝の目を見ていった。


「東京を離れることになった」



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