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【黒子のバスケ】ブルーな愛情

第12章 作戦会議


~さつきside~


静まり返った教室。
今は数学の授業の真っ最中。

問題を解きつつ、私は斜め前の席を盗み見た。
その席には転校生の菅原漣が座っていた。


「(菅原くんかぁ…確かに私も良い印象ないな)」


今は無いけれど、私は昔、女子のいじめの被害に合うことが少なくなかった。
男の子達の私への態度が気に入らなかったみたい。


そんなの、私だって気に入らなかったよ、って言ってしまいたかった。

優しくはしてくれていたと思うけど、それだけ。

私は、私の外見なんか関係なく、純粋に仲良くしてほしかった。

でもそんな人いなくて、誰と話しても気が休まなかった。


「(でも私より辛かったのは瑠衣だよね…)」


小学校の卒業間近になった頃、聞いた噂。

私に近づきたかったら瑠衣と仲良くしとけ、というもの。

これを最初に言い出したのが菅原くんだった。

私目当てに瑠衣と仲良く、なんて瑠衣への嫌がらせとしか思えない。

瑠衣が初対面の人間を異様に警戒するようになったのは間違い無くこれが原因。




瑠衣は私のことが嫌いじゃないんだろうか?

私がいなければ瑠衣はあんな噂をたてられずに済んだのに。






「オラァ!菅原ァ!」


突然響いた大きな声に、バッと顔を上げた。

見ると、爆睡している菅原くんを先生が叩き起こしていた。


「ん…?くあぁ…どうしました?」

「どうしたじゃない!授業中に寝るな!」

「いやぁ、先生が美声過ぎるのが悪いんです」

「な、何?」

「俺だって授業受けたいけど、声の破壊力ヤバいんすよ」

「そうか…なら、頑張って起きろ」

「はーい」


……え、あれで許されるの?
あの先生怖いと思ったのに、意外とチョロい方…?

当の菅原くんはまるで気にしていないようで、しれっと先生の話を聞いてる。


なんていうか、飄々とした人だな…。
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