第11章 優しさ
その頃の私に友達と呼べる人は2人の幼馴染みだけだった。
『俺給食の牛乳5本飲んだんだぜ!すげーだろ!』
『大ちゃんバカじゃないの?そんなに飲んだらお腹壊すよ』
『バーカ、そんなにヤワじゃねーよ!なあ瑠衣!』
『……え?ごめん、何?』
『…なんかお前最近ボーっとしてんな。どうした?』
『何か悩み事?良かったら聞くよ?』
『…大丈夫!ただの寝不足!』
無視されてることは言いたくなかった。
2人に余計な心配かけたくなかったし、大輝とさつきにそんなことを言う自分が、惨めに思えてしょうがなかった。
しかし、結局二人にはバレてしまったのだが。
それから卒業までの間、私はクラスメートから無視され続けて小学校生活を終えた。
何故、菅原くんを怒らせてしまったのかは分からず終いだった。
中学でいくつも楽しい思い出が出来ても、親友と出会っても、当時の記憶は忘れられない。
自分でも気づかぬ内に、菅原くんへのトラウマが完成していた。