第9章 【番外編】マツノトクエスト 第八章
「え?! でも僕はトト子様の部下で……魔王の手先で」
「ノンノン、とどまぁつ! トト子様は超絶可愛い、それは今の俺だってちゃんとわかっている、いるが……俺達が勇者の仲間とわかった今! この世界を救えるのは俺達だけなんだ! だから」
「お前も仲間になれよぉ、トド松~!!」
勇者が鼻の下を擦り、お決まりのセリフを吐き出す。
まだトド松にされた事は納得はいっていないようだが、相手が童貞とわかると少し優しくなるようだ。なんて単純なヤツ。
「はぁ、何で童貞勇者達の確認方法ってこれなの? もっとマシなのあればいいのに」
「そお~? 俺はわかりやすいと思ったけどぉ?」
「あぁ、玉が光ればわかるとは実に理解しやすい」
「んー……まさかぼくもその一人だったなんて、でもトト子様に逆らう訳には」
私は3人の確認行為を呆れて見ていたのだが、その3人に口を挟む。
「でも勇者のパーティって言ったらモテるよぉ? それに世界救ったらもうヤり放題なんじゃないかな?! ねぇ、二人とも!!」
真実はわからないけど適当に言ってみる。
どうせコイツも二人と同じで単純。こう言っておけばどう返ってくるかわかる。
「━━━━━━━━━━なるよ、上司に逆らうのは気が引けるけど、ぼくには他にやらなくてはならない事があるって事だもんね」
「即答かよ!!」
【 勇者おそ松のパーティに 新品トド松 が 仲間に加わった 】
思った以上にいい反応が返ってきて勢いよく突っ込みを入れてしまった。
いやはや松野家六つ子は扱いやすくて助かるな。
「へへへ、さっきは変な事してごめんね、ナス子! でも大丈夫だよ、さっきも言ったけど ナス子はまーーーったくぼくのタイプじゃないし全然そういう気持ちにもならないし! 安心して一緒に旅が出来るよっ」
「よし、そこになおれアヒル口野郎! 今すぐハリセンのサビにしてくれるっ!!」
やっと会えて仲間になったと言うにも関わらず早速ドライな発言だ。
これからの旅でもきっと私のハリセン攻撃はモンスターよりもコイツらに炸裂する方が多いのだろうと考える。