第8章 【番外編】マツノトクエスト 第七章
「んー……そろそろおそ松達連行して今日は帰ろうかなぁ」
「えー、もう帰っちゃうのぉ? 私もっと話聞きたいなー!!」
「へへ、そう言われると嬉しいなぁ、私なんかの話を聞いてくれるなんてぇ」
ヘロヘロになりながらニヘリと笑顔を向ける。
他に何が聞きたいのかと首を傾げて質問を待った。
「ねぇねぇ、今はレベルいくつなの? あ! 後、皆の攻撃手段とかも参考に知りたいなっ。 ほら、私って一人旅だし!」
「あ~、なるほどぉ。 レベルは今3人共15で攻撃手段は……うーん、なんだろうね。 まだ謎だらけと言うか~、おそ松はツボ投げる所しか見てないし、カラ松はすぐお酒飲んで酔拳するけど体当たりだしねぇ。私は私で装備ハリセンだしぃ」
もう眠さがMAXになってきて、自分がどこまで会話しているのか上手く思考が回らない。
あれ?私この店に何か目的があって来たんじゃなかったっけ……忘れた、眠いしもうどうでもいいやぁ。
「ふ~ん……なるほど、ね」
ん?なんだろう、トティ美の声がワントーン下がったような。
トティ美もお酒に酔っ払ってきちゃったのかな。
一度欠伸をすると、その欠伸は俄然止まらない。
もう何度目かの欠伸をついてしまい瞼が重くなってくる。
テーブルにウトウトと突っ伏す私の前に座っていたトティ美が立ち上がり、その手が肩に触れた。
「ねぇ、その勇者おそ松達の旅って楽しい?」
「ん? んー、面倒だけどレベルも上がってくし特別な伝説パーティの中にいられると思うと楽しい、かなぁ。アイツらも何だかんだ言って私にとって大事な奴らだし……」
不思議だ、何かわからないけど見下ろされている表情までも妖艶に変わっている気がする。
しかも女性相手なのに、何でか瞳の奥に違うものを感じるような。