第8章 【番外編】マツノトクエスト 第七章
「……あ、そういえばこの宿まだアイテム調べてなくない?」
「へへーん! それならもう俺が調達済みだからっっ」
「さすがおそ松、侮れない……で、何を手に入れたの?」
私とカラ松は興味津々でおそ松がアイテムを入れている袋を覗き込む。
「ん~っと、薬草とMP回復役。 MP系はお前が持ってた方がいいな、ホイッ」
「お、あんがとっ」
おそ松は躊躇なく私にMP回復役を渡してくれる。
てっきり何か交換条件とか出してくるかと思ったが意外にも驚いた。
「あとはお姉ちゃん達の店の割引け~ん!! ひゃほーい!」
「な、なんと! そんな物がアイテムの中に紛れていたのか、ナイスだぞおそまぁつ」
つい呆れた目で見てしまう。
どうしてこの世界ってちょっと変なんだろう……。
でももしかしたらそのお姉ちゃんの店に行けば何かしらこの先どうすればいいかの手がかりが掴めるかもしれない。
人が集まる場所ってのは噂がいっぱい集まる訳だしね。
「ねぇ、二人共」
「ん? なんだよ」
「どうしたナス子」
実はそういうお店には入った事がないし、ちょっと好奇心もある私。
ゲームだって情報収集の為にそういう店に入る事もあるもんねぇ。
「私も連れてってよ!! 行きたーい!」
「「━━━━━━━━━━は?」」
きっと、多分。私は今期待の目をしているだろう。
今までは呆れてたけど、先に進めるかもしれないと考えると心が躍る。
だってこの街に来からてレベルが上がったり成長は出来ても、まだ先に進む手掛かりは全くついていないのだから。
「えー!! いいよ、お前はっ、ここにいろよぉ」
「し、しかしおそ松。 俺達はもうナス子一人を残して出かけるのはやめようと言う話になったじゃないか……それなら連れて行く方がまだ安心じゃないか?」
「ふふ~ん、決定だねぇ、勇者様!」
ドヤ顔で返してやって、葛藤するおそ松の顔を見てやる。
ぐぐぐぐっと顔を顰めていても、昨日言ってくれた心配だと言う言葉は本当のようで、浅く息を吐いた。