第37章 第三十六章
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一松の話が終わり皆が驚いた顔をしている。
そうだよなぁ、記憶の事はいいとして魔王の幹部だったとかスパイだったとか聞いたらびっくりするよね。
「……す」
開口一番にトド松の拳に力が入る。
ま、まさか喧嘩になんてならないよね!?
こんな時に喧嘩なんかしてる場合じゃないし、揉め事が起こる前に私が止めないと。
「待って、トドま」
「スッゲー!一松兄さんてそんなに喋れたの?!びっくりなんだけど」
は?
「確かに。一松が自分の事をこんなに喋るのって滅多にないよね」
「いやー、驚いたぁ。なははははは」
「ん?どうしたナス子、そんな所でズッこけて」
いやいや、違うでしょ。
皆違うでしょーーー!?突っ込むとこそれでいいの!?
トド松もだけどチョロ松におそ松だって便乗してるし!
カラ松も私がズッこけてる意味わかんないかな?
喧嘩とかはしてほしくないけどそれでもあまりの状況に黙っていられず私が口を開く。
「ちょ、ちょっと待って皆!突っ込むとこそこでいいの?他にも引っかかる所とかあるんじゃないのっ?」
そう言った私の言葉に他のメンバーはそれぞれに目を合わせて首を捻る。
捻りたいのは私の方なんだけどね!
「えー、だってもう今更?このゲーム世界に入って色々あったし今更驚くもなにも……なぁ?」
「そうそう、一松兄さんだしそういう設定だったって言われたら逆に納得いくよね、逆に」
おそ松とトド松の応えにちょっとだけなるほど!なんてなっちゃったけど皆も頷いてるあたりそれでいいのかな。
変に私が話を引っ張る方がおかしい気がしてきた。
「そんな事よりもっと大事な事があるじゃん、ホエホエ王国のお姫さま!!」