第4章 【番外編】マツノトクエスト 第三章
「お前、いくら純潔の乙女って言っても白ってないだろ~黒とか赤とかもっと色気だしていこうぜぇ?」
「ううううう、煩いな! アンタも殴られたい訳?! いや待って、おそ松は私の服脱がせた時に見たんじゃないのっ」
「え~、忘れたぁ」
ハリセンの攻撃が見事会心の一撃に変わり、やっとカラ松を引き剥がす事に成功できると、カラ松はまた地面に突っ伏す。
「どうせ俺なんて……うぅ……グスっ」
あぁ、なんだろう。
子犬カラ松ってなんでか放っておけないんだよなぁ、それに襲ってきた理由だって聞きたいし。
多分記憶は完全にないみたいだけど、伝説の新品の一人は確実にカラ松だろうしね。
「もう行こうぜ? お前は次の村でパンツ買えパンツ」
「意味わかんない! そんなの買っても防御力ないじゃん!」
「あるね! 相手によっちゃ誘惑技だってかけられるからっ……あ、でもそっかぁ、お前相手だとちょっと無━━━」
言われた言葉に心底ハラワタが煮えくり返りハリセンを身構えておそ松を睨んでやる。
するとおそ松はすぐにカラ松の元へ行き、私との会話をはぐらかすように無理やり打ち切った。
ほんっと勇者じゃなければ今すぐ殺してやるのに。
「お前さぁ、さっきそいつの言ってたカラ松ってやつだろ? 一つ聞きたいんだけど……お前って童貞?」
「ん~? な、なな何を急に言い出すんだ勇者よ、この俺が童貞なわわわわ、訳……」
おそ松に聞かれたカラ松は膝がガクガクしている。
その動揺した言葉と仕草からおそ松の言葉が真実だという事がわかるのだが、確認しないと勇者は認めないだろう。
「んー……同じ新品の匂いはするけどなぁ」
すると、目の前で信じられない事態が起こる。
信じられないと言うか知りたくなかったと言うか見たくなかったと言うか……。
おそ松の股間と、立ち上がったカラ松の股間が赤と青に輝いている。
「…………さいっあく、何このゲーム、何この展開」
私は呆れた顔でそれを見ているのだが、私の視線など意図も返さずおそ松とカラ松はお互いの股間の発光を見つめ目を見開く。