第11章 優しさと嫉妬のオレンジ色
今度はお互いに近付き、キスを交わした。
しばらく深いキスをすると、一度唇を離してロナルドが私に尋ねた。
「本当に、このまま続けたら、止められなくなるけど……いいの?」
「うん」
「途中でやめてって言われても、やめてあげられる自信、ないよ」
私は、大丈夫、と頷いた。
ロナルドともっと、深く繋がりたかった。
私の顔を見て一瞬にこっと微笑んだロナルドは、私の顎を片手で優しく支え、唇を重ねた。
ロナルドとのキスに夢中になっていると、そのまま優しくベッドに押し倒された。
キスをやめ、顔を傾けられたと思ったら、彼は私の首に何度もキスをした。
「あっ……」
思わず声を漏らす。
そんなことには御構いなしに、ロナルドは私の耳を口に含んだ。
それはまるで、私に残されたウィリアムの感覚を洗い流すようだった。
ロナルドの舌使いに、私の呼吸はどんどん速くなっていく。
「はぁ……ん、ロナルド……」
「んー?」
私がキスを求めると、彼は応じてくれた。
最初よりも激しく、少し強引さはあったが、全く嫌な気がしなかった。
寧ろ、それは私の体を反応させた。
キスをしながら彼の左手が私の胸に乗せられ、パジャマの上から優しく揉むように動かされた。
一度唇を離し、体を起こした彼の表情には、言葉では表しきれない色気があった。
いつもの明るくて優しい彼との違いに、また心臓が高鳴った。
彼は私の着ているパジャマのボタンに手を掛けた。
上から下まで外していき、前を開けたところで彼の顔色が変わった。
驚いたような表情から一瞬で、怒りを含んだ様子になった。
「クロエ……ごめん。俺、少し強引なことするかも」
そう言うと、突然私の鎖骨辺りに口を当て、時折音を立てながら吸った。
これで私は理解した。昨夜、ウィリアムに同じことをされたとき、恐らく“跡”を残されていたのだろう。
そこへ上書きするように、ロナルドは私に自分自身の“跡”を付けようとしている。
ロナルドが嫉妬に近い感情を抱いてくれていることへの嬉しさと、何より彼に対して感じている申し訳なさが入り混じった。
彼は口を離し再び体を起こすと、呼吸を整えた。
「クロエは、優しい俺じゃないと、嫌?」
「……どういう意味?」
「俺……こういうとき、優しくしてあげる余裕ない……と思うから」
「こういう……?」
