Little lieR【イケヴァン◆ifイベ原作】
第12章 TieS END Ⅰ(しがらみEND)
「レフィリア………!」
ぐらりと傾いた身体を、力強い腕が抱き留めてくれる。
「なんでこんな、馬鹿なことを………!」
ヴォルフの腕だった。
アーサーとナポリオーネも、頬と手に触れていることがかろうじて分かって。
「ごめん、なさい………。
でもあなた達を死なせたく、なかった、の………。」
段々と白みがかってくる視界を凝らして、三人を見つめる。
「もう喋るな………!血が………。」
「無駄、よ………。私は助からない………。
この糸切りナイフに、即効性の毒が塗ってある、もの………。」
「嘘だ………!」
「あなたを見守っているね………。ずっと遠くから」
「さよ、なら………」
彼女はゆっくりと瞼を閉じ、永遠に吐息を封じた。
「レフィリア………? 目を開けなよ」
呼びかけるけれど、瞼が開く筈もなくて。
段々と温もりが失われていく身体を、きつく抱きしめた。
こらえていた涙が零れ、彼女の頬に落ちる。
まるで、彼女が泣いているように………。
「レフィリアが死んだ………?」
それまで凍りついていた公爵が、呆然と呟いた。
逃げ出そうとした彼に刃を突き立て、三人は古城を後にした。