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Little lieR【イケヴァン◆ifイベ原作】

第12章 TieS END Ⅰ(しがらみEND)



「アーサー! それにナポリオーネにヴォルフも………! どうして………」

「それはこっちの台詞! どうして………ぜんぶ黙ってたんだよ」

彼女の頬を撫でる掌は、怒った声音でも優しくて。

「っごめんなさい………」

「全くだ。でも………謝罪は聞かない。

俺と二人のうちだれかを咬め。それしか君に助かる方法はない筈だ」

「っふ、くくくっ………」

それまで黙って成り行きを見ていた兄公爵が突然嗤い出す。


「お兄、様………?」

「妹はずっと孤独だったんだ。

その苦悩が哀しみが人間どもに分かるものか!」

すらりと、腰から下げていた刃の切っ先を ナポリオーネに向ける。

「アーサー、ヴォルフ!レフィリアを頼む………!」

すばやく刃を交えると、二人に向かって叫ぶ。

「おっと。………させないよ」

指を鳴らすと、漆黒のローブを纏った男達が彼らにナイフを突きつける。


「レフィリア、おまえが選ぶといいよ。

ここで私を選ぶというのなら、彼らだけは解放しよう」

………嘘だ。

兄公爵は言う通りにしても、彼らを殺すだろう。


「ごめんなさい………。みんな」


彼女は隠し持っていた糸切りナイフを………。


「やめろ………!」

思い切り、腹に突き立てた。




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