第2章 ***
「っ…、九条さん…っ…」
大きな手で両胸を包まれやわやわと揉まれる。
すっかり呼吸を乱してしまっている私を、彼は上から楽しそうに眺めていた。
(そんな顔で見つめないで…)
優しい…けれどどこか意地悪な表情。
恥ずかしくなって顔を背ければ、今度はぐりぐりと親指の腹で胸の飾りを刺激される。
「ゃっ…、ぁ…」
「これ…気持ちイイ?」
「っ…、わかんなっ…」
「…そう?さっきから腰は揺れてるみたいだけど」
「……、」
本当は分かってるくせに…
いつもは優しい九条さんも、Hの時はどちらかと言うと意地悪だ。
言葉でも私を攻めて、その羞恥心を煽ってくる。
「結月ちゃんのココ…舐めてほしそうにしてる」
「んっ…」
指で弄られていたソコを今度はぺろりと舐められた。
けれどすぐには強い刺激を与えてくれず、恥ずかしいくらい尖ってしまっているソコをわざと避けるようにその周りに舌を這わせてくる彼。
微弱な刺激がもどかしい。
「ぁっ…ん…、九条さ…っ…」
「ん…?」
「ソコじゃない」と目で訴えただけでは無駄だという事は解っていた。
してほしい事をハッキリ口にしなければ、彼は私の望む愛撫をしてくれない。
「ソコじゃなくて…、乳首…舐めてほしいです…」
…恥ずかしくて死にそうだ。
けれど私の言葉を聞いて満足げな笑みを浮かべた彼は、「イイ子だね…」と囁いて今度こそ胸の先端に舌を這わせ始めた。
待ち望んでいた愛撫にぴくんと体が跳ねる。
私は思わず彼の頭を抱え、その強過ぎる刺激に声と吐息を漏らした。
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