第2章 アボカド
顔を大野さんの方に向けると、どうやら起きてるみたいだった。
「大野さん…?」
そう呼びかけると、きゅっと口を閉じた。
「わ…」
また泣いちゃう!
「大野さんっ…」
慌ててぎゅうっと抱き寄せた。
アイスノンが俺の顔に落ちてきて額にあたってちょっと痛かったけど、そんなの構ってられなかった。
「きょ、今日は俺も相葉さんも泊まるね?一緒にねよ?」
一緒に寝たからって元気になるもんでもないけど…
でも、失恋したての寂しさはわかるから。
ふと気づいたら、相葉さんは呆気にとられた顔をしてこっちを見てた。
「あ、相葉さんもっ!ほらっ…」
相葉さんはスマホを枕の横に放り投げると、慌てて布団に入ってきた。
「お、おーちゃん?俺も抱っこしてあげる」
そう言って後ろから大野さんの身体に腕を回しかけた。
「ん…」
小さく大野さんが返事をして、もぞっと動いた。
俺の胸の中で動きを止めると、そのまま寝息を立て始めた。
ほっとして相葉さんの顔をみたら、すんごい近いとこに顔があってビビった。
ちょっと気恥ずかしくなって目を逸した。
「ね、眠ったみたいだね…」
「うん…電気消すよ」
相葉さんがリモコンを操作すると、寝室の電気は消えた。