第2章 アボカド
寝室で布団をかぶせていると、相葉さんがタオルに巻いたアイスノンを持ってきた。
それを大野さんの目の上に乗せて、俺達は目を合わせてため息を付いた。
「どうする…?松潤…」
「ん…ほっとけねえだろ…こんな状態で一人にできないよ…」
「だよね…じゃ、今日泊まろうか」
「うん」
すっかり酔いの冷めた相葉さんは、キョロキョロと周りを見渡した。
「でも他に寝るとこなさそうだね」
「隣で寝かせてもらう?このベッドでかいし」
「そだね」
ほんと、悪いんだけどクローゼットからスエットを拝借して、風呂も拝借して…
俺たちはその夜、大野さんを挟んで川の字で寝ることになってしまった。
なんとかふたりとも準備を終えてベッドに入る頃には、もう深夜の4時を過ぎていた。
「遅くなっちゃったね…」
「ああ…あ、マネージャーに迎え、変わったこと伝えないと」
「そうだね。ここから出たほうがゆっくりできるね」
とりあえずの連絡を相葉さんがまとめてしてくれることになって、ベッド際に座りながらメールを打ってくれた。
その間に俺は大野さんの隣にもぐりこんで、ベストポジションを探していた。
「…じゅん…」
小さく大野さんがつぶやく声が聞こえた。