第2章 アボカド
「え…?」
ソファの肘掛けのほうに顔を向けて動きが止まってる。
「大野さん?」
「おーちゃん…?」
大野さんの視線の先には、相葉さんのスマホがあった。
「あっ…」
相葉さんが慌ててソファから飛び降りて、スマホを回収したけど…時すでに遅し。
「相葉ちゃん…それなに…?」
「い、いやこれは…」
俺の腿の上に乗ってる大野さんの身体が、小さく震えてる。
「ニノと…翔ちゃん…?」
「ち、違うって!ね?」
さっと後ろ手にスマホを隠すけど、もう大野さんはその内容がなにか悟ってしまったようで。
魂が抜けたみたいに、俺の膝の上で呆けた顔をしてる。
「ち、違うって!おーちゃんっ!」
相葉さんが必死になればなるほど、それは真実味を帯びていって。
「…そっか…」
ぽつりとそう言うと、大野さんは俯いてしまった。
「お、おーちゃん…」
「大野さん…」
「ん…わかってたんだ…」
「え?」
「いつか…こうなるんじゃないかって…」
「…どういう、こと…?」
ぽとりと俺のシャツの上に、涙が落ちてきた。
「大野さん…」
泣いちゃってるよ…どうしよう…
「あの二人…多分ずっと…両思いだったと思う…」