第2章 アボカド
いやいや…なに言っちゃってんだよ。
「まちじゅんは?」
「は?俺?」
「疲れてないの?」
「いや、疲れてるけど…」
「じゃあまちじゅんも抱っこしてあげるね!」
「えっ…いっ、いいよっ!」
何を言ってるんだ、この人…!
「まちじゅんおいでよ~…なんかおーちゃん、すげえいいにおいする…」
「え?は、はあ?」
相葉さんまで。どうしちゃったんだ…
「もお…酔っ払ってんじゃねえよ…」
「おいでよ~」
「いいってば…」
何が悲しくて男に抱きつかなきゃいけないんだ。
俺はソファに座ったまま手を振って拒否しといた。
「もお」
そう言って相葉さんを立たせると、ソファに突撃してきた。
「まちじゅ~ん!」
「う、うわあっ…」
どすんと俺に向かって大野さんが倒れ込んできた。
「ま、待てってっ…!」
「ほらあ…抱っこしてあげるからあ…」
「大野さんっ…」
「相葉ちゃんもおいでよ~」
そう言ってぎゅうっと俺に抱きついた。
「お、大野さんっ」
「いいこ~」
ちょっと身体を離すと、すんごい至近距離でニコニコ笑いながら、俺の頭を撫で始めた。
「いえ~い!まちじゅん!俺も~!」
調子に乗った天然爆弾が飛んできた。
「や、やめろおおお!」
しばらくソファでそうやってもがもがしていたら、急に大野さんの動きが止まった。