第2章 アボカド
「おーちゃんには秘密にしとかなきゃね…」
「ああ…あの二人には、釘刺しておかないとな」
「うん…でも、どうやって?」
「そりゃ…あんなとこでこんなことすんなって言うよ」
「まあ、そうだよね…俺に見つかっちゃうくらいだもんね…油断してんだよね…きっと。男同士だから…」
そう言って、相葉さんは潤んだ目を俺に向けた。
男…同士…
って…なんで大野さんもニノなんだろ。
女にモテないわけじゃない。
むしろ群がってくるくらいだと思う。
なのに、なんで男であるニノなんだろ…
「ぐずっ…」
もやもや考えてたら、いつの間にか相葉さんは泣いてて。
「なんで泣いてんだよ…」
泣いてる姿が、なんか女子っぽくて。
思わず頭をナデナデした。
「だって…おーちゃん、可哀想…」
「簡単に可哀想とかいうなよ…余計傷つくだろうが」
「うん…わかってるけど…」
相葉さんの気持ちもわからなくもない。
だって、ニノのこと話すときの大野さんは、本当に嬉しそうで。
生き生きとして、可愛らしいくらいだった。
それが、こんな形で終わるなんて…
いや、まだ終わりかどうかなんてわからないけど。
でもこれは、絶望的な形になったってことであって。