第7章 ショコラ scene5
27日。
「おはよ」
「はよ~…」
事務所に朝から、メンバーが勢揃いした。
これから、夜の会見の打ち合わせ。
午後からはファミクラ会員に向けての映像撮りだ。
会議室は、ぎっちりと事務所のスタッフで埋め尽くされてる。
俺たちの会見に、こんなにスタッフが動いてる。
それを眺めてると、胸に来るものがある。
みんな同じだったみたくて、スタッフさんがいろいろしてくれてるのを、ただ黙って眺めていた。
「揃ったな…じゃあ、始めるか…」
チーフが入ってきて、各自に資料が配られた。
「今日のスケジュールはわかってるよな。午後から映像撮り、夕方にサイトで発表…夜8時から食堂で会見だ」
各々頷いたり、返事をしたり。
智くんだけは、無言でじっと資料を見つめてる。
「今日から、だぞ!」
気合を入れるように、チーフが大きな声を出した。
「はあい…」
ニノが返事をして、ちらっと智くんを見た。
やっぱ、緊張してんだな…
昨日、寝られなかったんだろうな。
「うん…これからの二年、今まで以上に注目されるんだから、気合、入れるよ…」
潤がつぶやくと、雅紀が頷いた。
こっちも緊張してんな…
ぎゅっと…
机の下で、雅紀の手を握った。
びっくりして俺を見た雅紀の顔は、まだ強張ってたけど。
それでも、極上の笑顔を見せてくれた。
「よし、じゃあ…会見で伝える内容だがな…」