第7章 ショコラ scene5
夕方に、ファミクラのサイトで発表後は、そりゃすごい数の問い合わせが来た。
俺たちに関係している方への連絡は済んでいたから良かったけど、メンバーのスマホはサイレントにしておかないといけないくらいだった。
「…なんか、凄いね…」
会議室で、ついたままになってるテレビを眺めながら、ニノが呟く。
「ああ…」
智くんが、暗い顔で頷く。
「もお!そんな顔、しないのっ!」
ぶにっとニノが智くんのほっぺを引っ張ってる。
「ヤメロ…」
「ただでさえ、しょぼい顔してんだから、笑いなさいよっ!」
「あんだとコラ!」
「こうなることは、わかってたでしょ?何回も話し合ったんだから…」
「…うん…」
たくさんの人が動いて、世間を騒がせる
予想してたことではあったけど、実際に目の当たりにすると、やっぱり面食らうというか…
なにより、ファンの悲鳴みたいな声…
なるべく今は、見ないようにはしてる。
会見でちゃんと、俺達の考えてることを説明しなきゃいけないから、動揺しないためにって。
「頑張ろうよ…智…」
「うん…」
「みんな、居るから…」
ニノが俺の顔を見た。
それからゆっくりと、雅紀と潤の顔も見た。
「…俺達がフォローするから」
智くんを見ながらそう言ったら、こくんと頷いた。
「俺も、頑張るよ!リーダー!」
「俺も居るからな。忘れんなよ?」
雅紀と潤も、同じように智くんを見つめて言う。
「……うん」
少し、はにかむように笑うと、俯いた。
「あ、泣いてる」
「うるせー」
「泣いちゃってるよ…この人…」
「ダマレ」
「眠いんじゃなくて?」
「違うわ」
「かーわいいの~おーちゃんっ」
「やかましいわっ」
みんなで智くんを弄り倒してると、会議室のドアが開いた。
「おーい。時間だぞー!」
チーフの声に、みんなの顔に緊張が走った。
「さあ、行こうか」
俺たちの未来のために
できるだけのことを、今
やろう