第7章 ショコラ scene5
「はぁ…」
「ん…?どうしたの?翔ちゃん…」
「今年は…とんでもない誕生日だな」
「ふふ…そうだね…」
ぎゅっと雅紀が俺の腹に腕を回した。
「妊婦になるわ、お母さんになるわ…ぶぶっ…」
「おまえだって、赤ん坊になってたんだぞ」
あれ、めっちゃ可愛かった…
「それに…明後日のこともあるしね…」
ボソッと言う言葉で、ちょっと現実に戻った。
「まあ…俺達が、誠実に話していけば…きっとわかってもらえるよ」
「うん…」
「会見だけではね…わかってもらえないかもしれないけどさ」
それでも。
もう、5人で決めたことだから。
止まれない。
「…大丈夫だよ…俺達なら…」
「うん…」
「だってさあ…俺達の親にも認めてもらっただろ?」
あのときの雅紀の粘り、凄かった。
「だからさ…あんな風に誠実に、行けばきっと…」
きっと、わかってもらえるよ。
「…雅紀…?」
顔を見たら、寝てた。
「ごめん…もお…俺のバカ…」
やっぱ、疲れてるのに無理させちゃったよな…
今日はずっと寝かせてやろう。
「……」
可愛い寝顔…
半開きの唇は、ピンク色でツヤツヤして…
長いまつげはくるんと上を向いてる。
「もう一回…」
げしっとベッドから蹴り出された。