第7章 ショコラ scene5
「ただいま~」
家に帰ると、雅紀が玄関まで飛び出してきた。
「翔ちゃん、おかえりっ」
「おまえ、寝てなくて平気?」
「うんっ。やっぱ今回はあんまり負担なかったね」
「そっか…良かった」
ちょっと腕を広げると、雅紀が飛び込んできた。
「おつかれ」
「おつかれ、雅紀」
ぎゅうううっとお互い抱きしめあった。
「…ちかちゃん、どうだった…?寂しがってなかった?」
腕の中で、雅紀が呟いた。
「…大丈夫だったよ。幸雄さんにとってもよく懐いてた」
「うん…」
きゅっと、腕に力が入った。
「翔ちゃん…」
「ん…?」
「お誕生日、おめでとう」
「お…」
そういや、今日は誕生日だったか…
バタバタしてて、わかってなかった。
「ありがと…雅紀…」
「ふふ…チーフがね、さっき電話してきてさ」
「ん?」
「櫻井が誕生日だからって、無茶すんじゃねえぞって」
「は…ははは…」
だからあんなこと言って帰ったのか。
さすが俺たちのチーフマネージャー…
わかってらっしゃる…
「ま、我慢しようか…」
と、
俺が言うとでも思ったか!
「うわっ…」
「雅紀には無理させないからね~」
「ちょ、翔ちゃんっ…ああっ…」
「まぁさき~♡」