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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第7章 ショコラ scene5


幸雄さんを先生のお宅に送るのに、俺が車を出した。
雅紀は家でお留守番。
昨日は一日憑かれてたしね。

「幸雄さん、いつ宮城に帰るんですか?」
「ええ…土日に父と母が戻って来られると思うんで…」
「ああ…そうですね。ちかちゃん、一人にできないし…」
「はい…」

幸雄さんは助手席で膝の上に載せたカバンを覗き込んだ。
そこには、洗濯ネットに入ったちかちゃん猫が入ってる。

「不思議なご縁だな…」
「え?」
「あ、いや…なんでもないです…」

ちょっと赤くなって、幸雄さんは俯いてしまった。

「……?」

家につくと、幸雄さんはカバンからちかちゃん猫を出した。

「あー…あの、また会いに来てあげてくださいね…」
「はい。先生のお暇さえあれば、伺います」
「お忙しいのに…こんなこと言ってすいません」
「いえ…気にしないでください」

だって、俺は、かあさまだしな。

「じゃあ、ちかちゃん。いい子にしてるんだよ」
「みゃあ!」
「いい子にしてたら、おみやげ買ってくるね」
「みゃあ!みゃあ!」
「幸雄兄さまの言うこと、ちゃんと聞くんだよ」

みゃーんと鳴くと、幸雄さんのほっぺにスリスリした。

「なんか…ほんとに気に入られてますね…」
「はは…」

ちょっと、複雑な母心…

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