第7章 ショコラ scene5
雅紀の言葉に、ぶふぉっと幸雄さんは噴き出した。
「ま、まあ…ある意味超能力ですけどね…父の場合は、生きていない人とも喋れるので、超常現象と言ったほうがいいのかもしれません…」
くっくっくと笑っている。
「あ、すいません…超能力だろうが、超常現象だろうがあまりお二人には変わりませんよね」
笑っていたのに、急に慌てだした。
「いえ…だって、幸雄さんそういう分野の研究なさってるんでしょう?だったら、結構大事ですよね。そういうとこ」
「へへ…」
あら、ちょっと嬉しそう。
「まあ、父とは違う道ですが…僕には僕にしかできないこともありますんでね…精々、それを生かして行ければと思っています」
「そんな…!」
雅紀が急に立ち上がった。
「今回こんなことしてもらって…幸雄さんじゃなきゃできなかったんですからっ…俺、すっごい感謝してますっ!」
「あ、相葉さん…」
「雅紀、落ち着け…精々って頑張るって意味だぞ…」
「あ…」
真っ赤になって雅紀は座り直した。
「まあ…そうですよね…あの二人の子供だから、今回こんなことできたんでしょうね…ふふ…」
「そうですよお…俺じゃ無理だったかも…」
そうだ。
雅紀があんなことにならなきゃ、雅紀がやるって話だったんだ…