第7章 ショコラ scene5
「ああ…だから、お母さんの記憶が…」
「え?櫻井さんも見たんですか?」
「ええ…」
「俺も見た…」
「えっ、相葉さんも?」
「そうなんです…俺、今回は全部見えてたし、聞こえてたんです」
「ああ…そうだったんですね…そりゃ凄い…」
「俺も、蓋、開いてたみたいで」
「も?」
「ああ…翔ちゃんも、開いてたんだよね?」
「ああ…」
「なるほど…」
3人でリビングのソファに座った。
ちかちゃん猫は、幸雄さんの膝で心地よさそうだ。
「で、ちかちゃんがその猫に入った後、ちかちゃんのお母さんの記憶が夢で見えて…」
「俺もなんです。で、行長先生がその夢に出てきて…」
「蓋を閉じていってくれたみたいなんです」
「えっ…ああ…ああ、そういうことだったんですね…」
幸雄さんはボリボリと頭を掻くと、うんうんと頷いた。
「ちかちゃんがこの猫に入った後、急に父との回線が切れてしまって。僕自身、どうなったのかあやふやなとこがありまして…」
父が夢にねえ…と言いながら、ちかちゃん猫を撫でる。
「そんなことできるって聞いたことなかったんですが…なんでお二人の夢にまで父は行けたんですかね…」
「あ…そういえば…」
「先生って、超能力者…!?」