第7章 ショコラ scene5
翌日は、快晴だった。
「すいません…ほんとに…」
幸雄さんは結局、起きることができず、そのままリビングで泊まった。
チーフは、ラグの上で寝たらしく、体が痛いとぼやいていた。
そして、朝からちかちゃん猫のトイレ騒動でチーフはぐったりしていた。
「いえいえ…無理もないですから…」
「昼飯も晩飯も食べてないから、とにかく食べましょう!」
もうお腹がぺこぺこだった。
俺も雅紀も、結構動けたから、ちゃっちゃとチーフが買い置きしておいてくれた食べ物を出した。
ダイニングテーブルで、みんなで一斉に朝食を食べた。
「あっ…ちかちゃんの分、どうしよう…」
キャットフードじゃないとだめだよな…
でも、いきなり猫の食い物、食えるんだろうか。
「ああ…昨日、コンビニで一応買っといたけどな…」
チーフがガサガサと袋から、なにか取り出した。
「ちゅ~る…」
「ネコ缶だ…」
結構、猫好きなのかな、チーフ…
初めて知った。
「体は猫だから、大丈夫でしょう」
試しに幸雄さんが、ちゅーるを手に取った。
端っこをぴりっと破って、指に出してちかちゃん猫のほうに差し出してみた。
「にゃ~!」
ちかちゃん猫は幸雄さんの指に齧り付いた。
「ああっ…ザリっとするっ…!」