第7章 ショコラ scene5
「ふふ…チーフ…テレビ局で見ちゃったもんね?」
「え?」
雅紀が猫の顎を撫でながら、くすくす笑ってる。
「ほら…ニノが帰ってこなかった時…あの時、行長先生の奥さんと一緒にいたから、いっぱい視えちゃったんだよ」
「ああ。そうだったな…」
だから、信じてくれてるし。
それに潤がいつも言ってくれてるってさっき言ってたから…
多分、なんでこうなっちゃうかも、ちゃんと理解してるってことか…
俺達のフォローもちゃんとやろうって。
そう思ってくれたんだ…
「…ほんと…」
「ん?」
「俺たち…いい人たちに囲まれてるねっ」
みゃ~っと猫が鳴いて。
なんだか返事みたくて、ふたりで笑った。
「さ…もうちょっと休も…俺、頭いてえ…」
「俺も…実は起きれない…」
「ちかちゃんも、寝ような」
にゃんっと返事をすると、雅紀と俺の枕の間に陣取った。
「む…」
「ぶぶっ…さ、翔ちゃん、今日は、大人しく寝ようね」
「むうう…」
ちゅーくらいさせろ…
とは思ったものの…
横になってみたら、あっという間に眠りに引きずり込まれた。
やっぱ、蓋が開いてたから、結構消耗してたみたいで。
夢も見ないで、ぐっすりと眠った。