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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第7章 ショコラ scene5


チーフがリビングのドアをそっと閉めて、息を呑んでこちらを見ている。
子猫が逃げ出さないよう、異様な雰囲気になった。

「繋がりました…」

幸雄さんは顔を上げると、にっこりと微笑んだ。

「ちかちゃん…」
「はい」
「……ああ…そういうことか…この子猫は…」
「え?」
「ちかちゃん、大丈夫…」

傍らに置いてあるカバンの中に手を突っ込んだ。
何かを掴んで引っ張り出す。

手には、銀の円柱が握られていた。

これ…行長先生が、黒のとき雅紀の背中に投げたやつだ!

「櫻井さん、きっと上手くいきます。相葉さんの身体を抱っこしてください」
「あ、はい…?」

後ろから包むように抱きしめると、雅紀の身体に入っていた力が少し抜けた。

「かあさま…?」
「うん…ちかちゃん、大丈夫…」

幸雄さんが小さく手を振った。
井という字を空に書いている。

「縛…」

つぶやくと、指を子猫に向かって振った。
すると子猫の動きが、止まった。

「ネコチャン…!」

雅紀が動こうとする。

「ちかちゃん、大丈夫…」

幸雄さんはちらと俺の顔を見ると、頷く。
なるほど、俺は拘束係か…

「ちかちゃん…大丈夫だよ。ネコチャンは寝てるだけだから…」

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