第7章 ショコラ scene5
その間にお手洗いでもと立ち上がったら、俺のスマホにも着信があった。
「あれ。チーフだ」
人形を買いに行ったチーフからだった。
「もしもし?」
『あっ…さくらぃっ…』
「えっ…ちょ、どうしたの!?」
『まっ…ちょっ…あああああああああ』
「ちょっと!?どうした…」
ぶちっと通話が切れてしまった。
「な…なんだお…」
わけが分からず、リダイヤルしてみるけど電話に出ない。
「しょうがねえなあ…」
雅紀をみたらまだ眠ってる。
幸雄さんは通話を終えて、ちょっとボケッとしてる。
「幸雄さん…あの…」
「あ、はい?」
「ちょっとチーフの様子がおかしくて…」
「え?なにかあったんですか?」
「今、電話があったんですけど、切れちゃって…」
「ええっ…まさか事故!?」
「ええっ」
いやーな予感が俺たちの間に漂った。
「ちょっと…地下の駐車場に…」
時間的にまだ車で外に出てないかもしれないし。
様子を見に行ってみようと思った。
「あ、そうですね…」
幸雄さんには雅紀をお願いして、玄関に向かった。
「ちょっと行ってきます!」
玄関で靴を履いて、外に出ようとした瞬間、ドアが外から開いた。
「どあっ…」