第7章 ショコラ scene5
「ですよねえ…」
雅紀も寝てしまったことだし、休憩&作戦タイムに入ることにした。
チーフがバタバタとキッチンとリビングを往復して、おやつや飲み物を用意してくれてる。
「…すいません…やっぱり集中力が…」
幸雄さんはすごく疲れていて、少しラグの上に横になった。
「ですよね。構わないです。休んでください」
雅紀にブランケットを掛けて、幸雄さんには寝室から毛布を持ってきた。
「いえ…大丈夫…」
そうは言うけど、やっぱり顔色もあまり良くない。
しばらく横になっていたが、がばっと起き上がった。
「床暖房が入っているので、本気で寝てしまいそうです。危ない…」
それでも少し休んだからか、ちょっとだけ元気になったようだ。
若いなあ…
やっぱ20代って凄い。
チーフが用意してくれたコーヒーと、おかしをボリボリと食べ始めた。
「やあ…疲れてると、こんなに甘いものが美味しく感じるものなんですね…」
なんて言いながらニコニコしてる。
「申し訳ないです…ほんと…」
「何を仰るんですか…バイトです。バイト」
「あ」
「特殊技能を活かしたバイトですから、大丈夫です」
「ぶぶっ…」
また、手でお金のマークを作ると、おちゃめに笑ってくれた。