第7章 ショコラ scene5
「えっ…ちょっと…」
じゃあ、あれか…
まさか、ちかちゃんが誰かのお嫁さんになるまで、雅紀は帰ってこないってことか…!?
「櫻井さん…」
しーっと、幸雄さんは口に指を当てた。
「す、すいません…」
頭の中が大混乱。
…え?待てよ…
しかも、誰かのお嫁さんって…
雅紀の身体に入ったままでってことは…
俺は、ちかちゃんのかあさまだから、だめで…
と、いうことは…
雅紀が誰か他の男の嫁さんに!?
「ぐぉ…」
思わずでかい声が出そうになって、堪えた。
幸雄さんは俺を見て、行長先生にそっくりな目をまんまるにしてる。
冷静にならなきゃと思うんだが、どうにも収まらない。
顔が真っ赤になってるのもわかってるんだが、抑えられない。
知らなかった…
俺って、結構嫉妬深いんだ
中身のちかちゃんの望みだってわかってるんだけど、でも、無理だった。
「……櫻井さん、ご安心を」
「はぇ…?」
「大丈夫。そんなことはさせませんから」
きっぱりとそう言い切ると、幸雄さんは雅紀inちかちゃんに向き合った。
「ちかちゃん…今、相葉さんの…雅紀くんの身体に居るから、お嫁に行けないよね?」