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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第1章 バニラ


だから、ニノには可愛らしい役なんかが多いが、近年は流石に大人の男の役もちらほら振られてきてる。

ラストレシピや、プラチナデータの神楽は二役ということもあったんだけど、あれは新鮮だった。

でもこの渡海…

「やばいな…」

普段のあのニノのシニカルな部分をもっと増大させて、嫌味な感じにしたような男だ。

これがあのニノだってわかってみてるんだけど、別人にみえる瞬間がある。

手術の手さばきは、さすがの器用さで。
医療監修をしている人が感心したという話を聞いた。

陰で努力はしてるんだろうけど、これだけできるようになるっていうのも、やっぱりニノだからなんだろうなって思う。

「やっぱ、俺とは全然ちがうよなぁ…」

ニノは天才だと思う。

若い頃、演出になりたかったっていうのもあるんだろうけど、常に俯瞰で役を見ることができる。
そして、自分の役をセルフで演出することができる。

これは俺には到底できないことで…
演出に見てもらわないと、俺なんかは手も足も出ない。
自分がどういう風に見えてるかなんて、考えてる余裕はない。

でも、ニノは自分の魅せ方ってやつをわかってるんだ。

やっぱり、天才なんだと思う。

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