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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第1章 バニラ


「あ、あれ…そう呼べって言わなかった?」
「言ったけど…」

驚いて動けないようだった。

なんかもう、どうしていいんだかわからなかったけど…
急激に体の奥底から、ニノが…和也が好きだって気持ちが湧いてきて…

少し、近づいた。

「さ、とし…」

名前を呼んでくれて嬉しかったから、顔がにやけた。

「…怒って、ないの…?」
「えっ?なんで?」
「なんでって…」

なんだか知らないけど、めちゃくちゃ動揺してる。

「なんか、怒るようなことした?」
「え…」
「そりゃ、ケツと腰は痛いけど…でも初めてだし、そういうもんだろ?」
「え…え…うん…まあ、そう、だけ、ど…」

もうちょっと、近づいてみた。

「まだ…解けてない…?」
「え?なんのこと?」
「いや…なんでもない…」

そう言うと、またあの切ない顔をした。
俺の手首を握ると、少し引き寄せられた。
抱きしめられるのかと思ったけど、身体をつけられただけだった。

風呂上がりの温かい体温が、バスローブ越しに伝わってくる。

「…和也…?」
「ん…ごめん、このまま…」

また、謝った。
どうしたんだろ…
どうしてこんなに謝るんだろ…

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