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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第6章 ビリジアン withあにゃ


その後。

俺と智の距離はちょっとだけ縮まった。


楽屋でもなんとな~くお互いを意識してて。

俺がこっそり智の傍に寄ってみたり。

逆に、気が付いたら智が俺の隣にいたりした。


休みの日や、仕事が早く終わって時間のあるときには、智の家に行った。

最初の頃は盛りの付いた猿みたいに、セックスばっかりしてたけど。

最近は、時々は2人でお酒を飲んで過ごす日もあって。


結局、智の闇がなんだったのか、教えてはくれなかったけど。


あの頃とは違う、穏やかで静かな瞳を見るたび、俺が傍にいる意味があるのかなって、そう思う。



でも。

でもね。

智は知らないと思うけど。


俺ってとっても欲張りなの。


だから…

もう一歩、踏み出すね?




「さ~としっ!」

シャワーを浴びて、濡れた髪をそのままにスマホを弄ってる背中に、ぎゅーっと抱きついた。

「ん~?どしたん?」

智はディスプレイから目を離さないまま、後ろ手に俺の髪を撫でてくれる。

「ねぇねぇ…もうすぐ俺の誕生日」
「あ~、そうだっけ?忘れてたわ~」
「え~っ!?ひどい~っ!」
「うそうそ。ちゃんとプレゼント考えてるよ?」
「…それって、もう用意した?」
「ううん、まだ。なんで?」
「俺ね?俺…欲しいものが、あるんだけど…」

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