第6章 ビリジアン withあにゃ
「…さき…雅紀…」
ぺちぺちと、頬に軽い痛みを感じて。
目を開くと、ちょっと困ったように眉を下げた智の顔。
「あ、れ…?」
もしかして…
意識、飛んでた…?
「うん。そんなによかったの?」
「ん…信じらんないくらい、気持ちよかった…」
正直に答えると、智は嬉しそうに笑って覆い被さってきた。
「さっきの、ビデオ撮っとけばよかった」
「えええっ!?」
「あれオカズに、何回でもオナニーできそう」
「やめてよぉ…」
「んふふ…そんくらい、可愛かったよ」
そんなこと言われて、恥ずかしくって。
智の体を引き寄せて、ぎゅっと抱きついたら、腹の辺りに固いものが当たる。
「あ…」
そういえば、俺ばっか気持ちよくなってて、智はまだ1回もイッてないんじゃん…
そっと手を伸ばして、その熱い塊を握り込んだ。
智が、ぴくんと震える。
「ね…今度は、俺にやらせて?」
「だめ」
だけど、やんわりと手を外されて。
「…なん、で…?」
思わず智の顔を覗き込んだら、優しい眼差しが俺を見つめてて。
「だってもう我慢できない」
「え…?」
「雅紀の中に、入りたい」
そう言って、ほっぺたにちゅってキスをした。