第1章 バニラ
男だけどさ…
男同士でも、そういうことできるのは知ってたけどさ。
まさか自分が…しかも長年ずっと一緒にいるメンバーの、しかもニノと…こうなるなんて…
信じられないのと、恥ずかしいのと、痛いけど気持ちよかったこととか、意外と男らしかったニノのこととか…
いろいろ思い出して、布団をかぶったまま悶えに悶えた。
「ふがーーーー!!!」
でも布団の中があっという間に熱くなったし、バスローブも脱げてきちゃったから、早々に布団から出た。
「ああ…もう俺、何やってんだ…」
布団をまくって、バスローブを直してなんとかベッドから抜け出た。
身体がサラサラしてるから、どうやらお風呂に入れてもらったか、拭いてもらえたか。
とにかくベタベタした嫌な感じはしなかった。
「ニノ…帰ったのかな…」
時計を見たら、お昼を少し過ぎてた。
痛む腰とケツを摩りながら寝室を出た。
でも家の中には人の気配はなくて。
リビングもキッチンも誰もいなかった。
「トイレ…」
トイレに行って、ひとまず落ち着こう。
そう思って足を向けたら、洗面所から音が聞こえた。
あ、もしかして風呂でも入ってるのかな。