第1章 バニラ
「っ…さと、し…」
「かず…」
泣きそうな顔してる和也に腕を伸ばして抱き寄せた。
「智…ごめん…痛くない…?」
「ん…」
気持ちよすぎて、何も考えられない。
息が整うまで、俺は和也にしがみついていた。
「ごめん…中で出した…」
さっきから、謝ってばかりだ…
どうして…?
和也…
そんな悲しい顔しないで…?
俺、ニノのことすきだよ…
「智…ごめん…」
ニノの声が遠くなる
謝るなよ…ニノ…
「イタタタ…」
腰とケツが痛くて目が覚めた。
「あ、あれ…?」
寝室のベッドにいつの間にか寝てた。
バスローブだけ着て、布団をかぶってる。
「ニノ…?」
頭が痛い。
頭の芯がぼーっとして、目の前に霞がかかってるみたい…
ベッドには俺しかいない。
ニノの姿は…
「わ…わわわ…」
さっきあったことを、一遍に思い出した。
同時に、ケツがジンジンして…
俺、ニノと…しちゃったんだ…
「ど、どうしよう…」
恥ずかしい…恥ずかしすぎる…
あんな女みたいに、俺…
布団を掴んでベッドに潜り込んだ。
なんで…
なんであんなことになったんだ?
どうしてあんな…