第6章 ビリジアン withあにゃ
すげえかわいい生き物がいる…
「雅紀…」
「なっ…なんだよっ…」
「かわいいな、おまえ」
「えっ…な、な、な…」
なんだか笑えてきた。
俺よりもでっかいくせに。
足も長いし、スタイルもいいし。
力だって俺よりも強いのに。
なんでこんなかわいいんだか。
手首を持っていた手を離したら、がばっと顔を両手で覆ってしまった。
「み、見ないでっ…」
女子か。
「なんでだよ…顔、見せろよ」
「やだっ…恥ずかしいっ」
乙女か。
「わかった。見ない」
覆いかぶさってた体から降りて、しばらく様子を見た。
その間に、クローゼットを開けてローションとゴムを用意した。
「…なにしてるの…?」
なんて心細い声が聞こえて振り返ったら、慌ててまた顔を隠す。
「ぶっ…」
なのに、指の隙間からこっち見てんの…
「なぁんで笑うの…」
「だっておまえ…」
笑うだろこんなの…
「暗いけどちゃんと見えるんだぞ」
「え?」
「指の隙間から、見てるの」
「ええっ…」
わざとやってたんじゃないのか…
見えないとでも思っていたのか。
「み、見てないもんっ」
「はいはい。見てない見てない」