第6章 ビリジアン withあにゃ
生まれたままの姿の雅紀が、また俺のこと抱きしめた。
「何も…聞かないから…」
「雅紀…」
「だから、こうやって傍に居させて…?」
「雅紀……」
「温めさせて…?」
「雅紀…雅紀…」
なんで…わからない…
雅紀の手が、俺の服を脱がせた。
抗うこともできず、ただ突っ立ってる俺の服を全部脱がせると、そのままそっと俺をベッドに寝かせた。
温かい雅紀の腕が、俺を包む。
「こんなに冷え切って…」
どこまでも裏のない、優しい声。
「足も…こんなに冷たい」
足先に、雅紀の足がぴったりとくっつく。
温かい…
どこもかしこも、温かい…
あのとき、俺は死んだ。
俺の子供と…未来と一緒に死んだんだ。
だから、ここにいるのは亡霊の俺で。
未来を殺してまでも守ったものを、大事にしたかった。
でも本当は…
温かくて、柔らかくて
心地いい場所にずっと居たかった
何も罪を背負う前の俺が、そのまま居るあの場所を…
手放したくなかったんだ
生きたかったんだ
でもそれを認めると…
甘かった自分まで認めてしまうような気がして。
死んでいなきゃ、だめだったんだ
忘れちゃ、だめだったんだ