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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第6章 ビリジアン withあにゃ


智が大きく息を吐いて、上から退いた。

上半身を起こし、セーターを下着こと一気に投げ棄てて。

ジーパンも、下着と一緒に脱いだ。

暖房の入っていない部屋のヒヤリとした空気が、肌を突き刺す。

智は、身動ぎもしないで俺を睨みつけるように見ていた。

「智も…脱いで…?」

寒くて。

片手で自分を抱きしめながら、手を伸ばした。

だけど、智はじっと俺を見つめたまま、動かない。

「ねぇ…智…」

だらりと垂れ下がった手をそっと握ると、ビクンッて大きく震えた。

「…やめろ…」

一歩、後退った。

「…智…?」

一歩近付くと、また後退った。

まるで、幽霊でも見るような怯えた瞳で。

「どうしたの…?」

握った手に力を籠めると、振り払われた。

「見るなっ…」

逃げ出そうとした背中を、すんでのところで捕まえて。

腕の中に閉じ込める。

智は、ヒドく震えていた。

「…大丈夫…」

なんでそんなこと言ったのか、自分でもわからない。

でも、そう言わなきゃいけない気がして…。

「大丈夫…大丈夫だよ…?」


まるで土砂降りの雨に打たれた子どものように、震えているあなたを

ただ、包み込んであげたくて


「大丈夫…俺は、ここにいるよ…?」

冷え切った体を温めてあげたいと。

抱き締めた腕に力を籠めた。

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